何でもそうですが、自分がした事というのは人間忘れがちです。そして自分がされた事というのはしっかりと覚えているものです。よくある例で言うと、小学生の時にいじめられていた子はされた事やされた人の事を克明に覚えていますが、いじめをした人というのは、そういった事をした事すら忘れているのです。よくテレビドラマや小説、漫画などで、同窓会でいじめっ子といじめられっ子が再開して…怒りを覚えるなんてシーンを目にした事があるのではないでしょうか。実は不倫もそういったものに非常に似ているのです。
そして20代・30代の時の不倫が20年後・30年後に離婚となるケースも最近増えてきていますので、そういった点を今日はまとめていきたいと思います。
20代、30代の若い年齢の際の不倫をして発覚して、謝罪から夫婦関係を再構築するのはよくあるケースですが、ここで離婚という選択肢を取らなかった理由として「子供の存在」があげられます。子供に悲しい思いをさせたくない、辛い境遇になるリスクを負わせたくないという、自分の思いに蓋をして、子供を思う親心から離婚ではなく再構築を選んだ人も数多くいる事と思います。しかし、再構築すると特に男性側は軽々に奥様は許していると考える方が多いですが、人間の感情はそんなに単純ではありません。あくまで子供の幸せを願い、離婚を選択しなかっただけで、決して不倫をした男性を許しているという事でもないのです。そこを勘違いして接していると、お子様が独立した後に熟年離婚になってしまう可能性もあるので、注意しましょう。
上記でも人間の感情はそんなに単純ではないと書きましたが、再構築を選択したからと言って、そう簡単に心の傷が癒える訳ではありません。信頼して一生を添い遂げたいと思った相手に裏切られたという事実は決して消える事はないのです。人間、年月を重ねると過去の自分の事を少しずつ忘れていきます。ただ心の傷というのは、ふとした瞬間にまた出てきてしまう瞬間があるのです。だからこそ、不倫をしてしまった人は精一杯のフォローとケアをしてあげるのが責務なのです。
「子供の存在が離婚を踏みとどまらせた」「人の心の傷は簡単に癒えない」という事をしっかりと理解して、不倫をしてしまった人はパートナーに接していかないと、不倫から数十年経ったある日、離婚を切り出されてしまうかもしれません。こういった話をすると、「何年も前の事をほじくり返して、いつまで謝ればいいんだ!」という方がいますが、それは加害者の勝手な思い込みです。極端な例ですが、ご自身のパートナーやお子様が誰かに殺されてしまったとして、その加害者が刑務所に入り、出所した時にあなたの前で、「何年も前の事です。罪は償いましたから。」と言ったら、アナタの感情はどうですか?
もちろん極端な例ではありますが、人を傷つけたり、悲しみのどん底に落とす行為はそれだけ罪深いという事なのです。