メディアなどでよく目にするようになった『熟年離婚』という言葉。
熟年離婚の定義は、結婚から20年以上連れ添った夫婦が離婚することをいいますが、その割合は25年前と比べてなんと7割も増加しているのだそうです。今回は、長年連れ添った夫婦が離婚をしてしまう原因に迫ってみたいと思います。
もっともよく聞くのが、旦那さんが仕事を定年退職した途端に夫婦仲が冷え切って離婚を切り出す、というパターンではないでしょうか。
子どもも一人立ちして突然夫婦2人きりになると、あらためて2人の関係性を見直す機会が増えるのかもしれませんね。
現在熟年離婚する世代は、まだまだ「育児・家事は女の仕事」という観念が強く残っています。そのため、長い結婚生活のあいだ、専業主婦はもちろん共働きでも、家のこと一切を切り盛りしてきたという女性が多くいます。
旦那さんが定年退職したはいいが、家にいてもまったく家事をしない、ゴロゴロしてばかりいるとなると、不満は自然とたまります。
退職するまで家計を腕一本で支えてきた旦那さんにとって、家の中という狭い世界の中だけで長年暮らしてきた奥さんと向き合うのが苦痛という人もいます。
共通の趣味でもあればいいのですが、家の話やテレビの話題など、興味のないことを延々と話し続ける妻に、この先このままでいいのかと離婚を意識する人もいるようです。
死ぬまでお互いに恋をし続けられたらそんなに理想的なことはありませんが、それはあくまで理想の話。
長年一緒にいれば「恋人」というよりは「同居人」「同志」「空気」のように、いつしか当たり前の存在になっていきます。そんなとき、自分のことを見初めてくれる人が目の前に現れたら、つい気持ちが揺らいでしまうかもしれません。
20年も連れ添うあいだにはさまざまなできごとがあります。
中でも、親の介護問題は大きな転換点。特に、奥さんが仕事の忙しい旦那さんに代わって義理親の介護をする場合には、「なぜ自分ばかり」という不満を溜めやすくなります。
その不満を解消できないまま結婚生活を送ると、子どもが一人立ちしてから満を持したように離婚を切り出す、というパターンもあります。
近年では離婚率そのものの上昇も話題となっていますが、その背景にはこのように、20年以上連れ添い、溜まりに溜まった不満をここぞとばかりにぶつける夫婦が多いのかもしれませんね。