日本でも欧米諸国に並び、今や3組に1組が離婚する高離婚率の時代。特に近年では、熟年離婚を選ぶ傾向が顕著です。長年連れ添った夫婦が袂を分かち、新しい人生のスタートを切る。そこには、メリットだけでなくデメリットも存在します。今回は、得るものもあれば失うものもある、熟年離婚のメリット・デメリットをご紹介します。
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まずは、熟年離婚のメリットから。離婚を切り出す側は大きなメリットを感じるからこそ、そこに思い至るわけですが、実際にはどんなメリットがあるのでしょうか。
熟年離婚を切り出した人は、このために別れたといっても過言ではないかも知れません。特に現在「熟年」と言われる人たちは、我慢こそ美徳という空気のもとで育った世代。自分を犠牲にして生きてきたけれど、老後くらいは自由に生きたい!と長年の重荷をおろしたことが、最大のメリットと感じるようです。
現代の熟年は、男女平等が浸透しておらず、女性は黙って仕えるもの、という風潮が拭えません。本人がそれに疑問を感じていても、姑はそれを許さない古風な考えの人が多いのが事実。嫁姑問題など煩わしい「家」から開放されるのもメリットです。
熟年離婚を切り出された側にとってはデメリットだらけのように思いますが、切り出す側にとっても少なからずデメリットはあります。
我慢に我慢を重ねてきた、屈辱的な日々にも耐えてきた、だからこそ離婚をしたという人も、長年同じ家の中で生活をしてきたわけですから、突然の一人暮らしに精神的な寂しさを感じるもの。特に老後は年金や健康不安の問題がついてまわるので、心細い気持ちになることも少なくありません。
それまで働いてきた男性も、専業主婦やパート収入で家庭を支えてきた女性も、等しく不安になるのが経済的な問題について。退職金や年金で安泰だろうと思われる男性側も、離婚時の財産分与で財産の半分は分割されてしまうので、その後の生活について、家計に関する心細さは否めません。
熟年離婚は長年我慢をしてきた「自由」を手に入れられる反面、デメリットもつきもの。今熟年離婚を考えているのなら、老後の資金や収入の確保など、デメリットを補う方法を考えてから踏み切りたいですね。